共同の厨房機器を備え、複数の飲食店が日替わりで営業している「シェアキッチン」=3日、敦賀市呉竹町2丁目

 共同で使う厨房(ちゅうぼう)設備を備え、複数の料理人が日替わりで自慢の料理を提供する「シェアキッチン」が福井県敦賀市中心部にオープンした。オーナーの夫婦は「ここで飲食業の経験を積んだ後、市内で店を構え、敦賀のにぎわい創出に力を発揮してくれれば」と期待を込める。

 呉竹町2丁目で広告業を営む奥野さん夫妻は昨年5月、会社事務所の隣に所有するビルの空き店舗活用を模索する中、県内では数少ないシェアキッチンという業態に着目。「北陸新幹線延伸のタイミングで新しいことに挑戦し、飲食業開業を目指す次世代の人の背中を押せればという思いもあった」と話す。

 中華料理店だった店内をおしゃれな雰囲気に改装し、今年5月にシェアキッチン「スタートアップベイス」として“再出発”した。広さは約23平方メートルでテーブル四つ、カウンター3席を備える。一般的に飲食店を開業する際は店舗敷金や礼金、厨房設備に相応の初期投資がかかるが、シェアキッチンは食器もそろっていて、利用者は施設使用料のみで手軽に営業を始めることができるのが利点だ。

 奥野さん夫妻は「資金に余裕がない若者にとっても出店のハードルは低いはず。ここから巣立って本格出店につなげてほしい」。新幹線開業以降、観光客でにぎわう敦賀市内は飲食店が不足しているとの声もあり、地域の課題解決に貢献できればという思いもある。

 鯖江市のカレー店「びーどろ実生庵」は6月から水曜を中心に敦賀に“出張”して営業している。男性店主は「新幹線延伸後、鯖江は沈み込んでいて、商売するなら始発、終着駅の敦賀だと思っていた。まずは市場調査して敦賀での本格出店のチャンスをうかがいたい」と言う。

 敦賀駅から車で約20分の手の浦海水浴場近くに店を構える「あけぼの旅館」は月2回のペースで営業。「敦賀真鯛定食」などを手頃な価格で提供し、テイクアウトにも対応している。女将は「敦賀市内でも駅から遠い場所は新幹線開業効果が薄く、コロナ禍もあって客足も鈍い。駅周辺での将来的な出店に向けて試験的にここで営業して反応を探りたい」と話す。

 スタートアップベイスの営業可能時間は午前8時半から午後9時半。利用料金は月~木曜は1日6千円、金、土、日曜は同9千円(ともに税別)。問い合わせは同社=電話0770(21)1258(平日午前8時半~午後5時半)。

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