近代の若狭で使われていた漁具などを展示している「近代の鯖街道」=小浜市食文化館

 明治以降の福井県若狭地域の水産業をテーマにした企画展「近代の鯖街道」が小浜市食文化館で開かれている。実際に使われていた漁具など7点のほか、パネルや食品サンプルなどを通じて、新たな漁法や交通網の進展により変化した当時の水産業の実情を紹介している。来年2月末まで。

 同市や若狭町の鯖街道に関連する文化財などが日本遺産に認定されてから来年で10周年を迎えることなどを受けて同館が企画した。

 同地域では水産業の発展に向け1900年、小浜市に県立小浜水産学校(現若狭高)が設立された。展示では、大正時代に同校で使われていたはえ縄や、長方形の網で魚群を囲い捕獲する「巾着網漁法」が地元の漁村に導入されたことなどを紹介している。

 近代に入り、蒸気船や鉄道を使い短時間で海産物などを京都や岐阜に運べるようになったことや、これにより人流が増え、観光客のお土産として海産物が選ばれるようになったことが解説されている。

 このほか、京都で創業200年以上の老舗すし店が作ったサバずしなどの食品サンプルも展示されている。

 入場無料。水曜日は休館(祝日を除く)。

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