• 敦賀市に移転することになった和伊和伊亭のオーナー竹中淳二さん(左)と妻の千昌さん=若狭町三宅
  • ふわとろ食感が特長の「和伊和伊オムライス」
敦賀市に移転することになった和伊和伊亭のオーナー竹中淳二さん(左)と妻の千昌さん=若狭町三宅

 福井県若狭町三宅の洋食店「和伊和伊亭」が6月末で現在の店舗での営業を終了し、敦賀市に移転する。20年目を迎えており、長年にわたって看板商品のオムライスなどで町民らのおなかと心を満たしてきた人気店。オーナーの竹中さんは「温かいお客さんに恵まれて楽しく営業できた」と感謝する。

 竹中さんは大阪府出身。大学卒業後に鉄鋼商社に入社し、滋賀県の工場に9年間勤めた。「酒も料理も好きで居酒屋をやってみたい」と思い、退社して同県内の割烹(かっぽう)や居酒屋、イタリア料理店で計6年間働いて経験を積んだ。独立を考える中、知人からJR上中駅近くの国道27号沿いの空き店舗を紹介され、2005年3月に開店。周囲の飲食店と競合しない洋食店とした。妻と二人三脚で切り盛りしてきた。

 自慢のメニューの一つが「和伊和伊オムライス」。特製ソースで味付けしたご飯の上に載せるオムレツはふわとろ食感で、肉と野菜のうまみが凝縮したデミグラスソースが食欲をそそる。「卵の柔らかさはどこにも負けない」(竹中さん)との思いで作り続けてきた。

 鉄骨2階建てを賃借し、1階は店舗、2階は家族での生活に使っている。「年齢的に飲食業ができなくなり、店を閉じてからのことを考えると今の家賃では厳しい」と、敦賀市の神楽町1丁目商店街の物件を購入することになった。県や市などの「敦賀まちづくり魅力UP応援補助金」を活用して開店のための改修を進めており、8月中の営業開始を目指している。

 19年間余りの営業を振り返り、「地元の方々は温かく、若狭町はもちろん、町外からも多くの人に来てもらえた。にぎやかになるようにと思って店の名前を付けたが、十二分に目標を達成できた」と竹中さん。妻は「上中だからこれだけ続けてこられた」と振り返る。

 敦賀市では「和伊和伊亭敦賀神楽店」として営業し、おおむね同じメニューを提供する。竹中さんは「観光客の旅の思い出を彩れる店にしていきたい」と力を込めた。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)