廃校を会場に書や立体作品など個性あふれる作品が並ぶ第1回おばまし芸術祭=5日、小浜市上野の松永ふるさと交流館

 43回目を迎える小浜市美術展を名称変更し、会場を旧松永小を活用した松永ふるさと交流館(福井県小浜市上野)に模様替えした「第1回おばまし芸術祭」(福井新聞社後援)が6月4日始まった。幅広い世代の個性あふれる作品285点が閉校した学校の教室や廊下に並び、一風変わった美術展となっている。16日まで。

 市美術展は、小浜市と近隣市町から絵画造形・写真・書道の作品を募集し毎年開催してきた。今回、芸術を幅広い世代に楽しんでもらおうと、イベント名を改称し再出発を図った。

 会場はこれまで市中心部の県立若狭図書学習センターで開いてきたが、郊外の閉校した小学校を活用した交流館に変更。さまざまな催しも企画している。

 新設された障害者対象のパラアートの部、中学生以下のジュニアの部を含め、平面(絵画、書、写真)、立体、小作品の5部門で募集した。

 会場となる交流館には、教室の黒板や子どもたちが使っていた机や椅子に作品が並び、学校という雰囲気を生かした展示になっている。

 平面の部で最優秀賞の市長賞に選ばれた若狭高3年の学生の篆書(てんしょ)は、全紙に「澂懐(ちょうかい)」と書かれた力強い筆致の作品。マジパンを使い祭りで舞う獅子を表現した作品(小作品)や、ヒノキを彫り迫力ある表情に仕立てた狂面(小作品)などが展示されている。

 開催期間中の14日には夜間の展示となる「ナイトミュージアム」を午後8時まで開く。また会場の体育館ステージでは土、日曜日にさまざまな団体の演奏やフランダンスが楽しめるほか、アート切り絵、子ども美術教室のワークショップも開催。キッチンカーも並ぶ。

 入場無料。平日は午前10時~午後3時、土日は午前10時~午後5時。月曜休館。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)