蘇洞門開き、断崖迫力　観光シーズン到来　関係者安全祈る　福井県小浜

• 遊覧船から迫力ある景色を楽しむ乗客＝１３日、小浜湾
• 大門・小門をバックに記念撮影する関係者ら＝小浜市泊

遊覧船から迫力ある景色を楽しむ乗客＝１３日、小浜湾

　福井県小浜市の内外海半島にある国の名勝「蘇洞門（そとも）」を巡る遊覧船の安全や盛況を祈願する「蘇洞門開き」が４月１３日、同市川崎１丁目の若狭フィッシャーマンズ・ワーフで開かれた。式典や神事の後、関係者らが船に乗り蘇洞門を巡った。暖かな日差しが差し込む中、美しい海と迫力ある断崖を楽しみながら、本格的な観光シーズンの到来を祝った。

　蘇洞門は内外海半島北側にあり、「大門・小門」とよばれる洞門や日本海の荒波によって形成された断崖や奇岩が約６キロ続く。１９３４年に国の名勝に指定された。

　式典には遊覧船を運航する「そともめぐり」の溝口裕之社長や松崎晃治市長ら約２０人が出席。溝口社長は「北陸新幹線が開業し、関東からの観光客が増えている。こまめな情報発信などに努め、観光客の増加が少しでも長く続くようにしたい」と話した。

　式典後は溝口社長ら関係者や招待客約３０人が遊覧船「のちせ」に乗り込み出航。海や山が織りなす雄大な景色や潮風を楽しみながら、３０分ほどかけて大門・小門を目指した。

　この日は大門・小門の近くにある桟橋に船を接岸し上陸した。風が弱く、波も穏やかなときしか上陸できないといい、運航期間のうち多くて２割ほどという。海は魚が見えるほど透明度が高く、近くには滝も流れる。上陸できたのは１５分ほどだったが、乗客は写真を撮るなどして小浜の自然を満喫していた。

　乗船した西津小３年の児童は「海には魚やカモメがいて、岩や滝もきれいだった。初めて船に乗ったけど、とても速くて楽しかった」と笑顔で話した。

　運航は１１月末までで午前９時半～午後３時半に５便ある（１時間半おき）。所要時間は約１時間で大人２５００円、小学生１２００円、未就学児は無料。