福井県小浜市の妙祐寺では、しだれ桜が降り注ぐように咲き誇り、高浜町の五色山公園でも淡いピンクのヒガンザクラが見頃を迎えている。4月2日の小浜市は最高気温が20・8度まで上昇。午前中は両市町に暖かい日が差し込み、桜の名所では春の陽気に誘われるように、春休みの子どもを連れた家族連れやカメラを持った人でにぎわった。
小浜市中井の妙祐寺ではしだれ桜が満開を迎えた。覆いかぶさるように垂れる迫力ある桜に、多くの見物客が見とれていた。
しだれ桜は140年ほど前に檀家(だんか)の1人が日蓮宗総本山の身延山久遠寺(山梨)に参拝した際に、苗木を譲り受けたという。1992年に境内の竹やぶを切り開いたところ、偶然見つかった。97年には市の天然記念物に指定されている。
桜は高さ約17メートル、幹回りは約2・5メートル。同寺の松浦知職によると今年は3月26日に開花、同31日に満開と例年並みという。
淡いピンク色の花がカーテンのように垂れ下がり、花をつかもうとする子どもの姿もあった。見物客は「きれい」「立派」などと話しながら、写真を撮ったりして春を満喫していた。
祖父母と3人で見に来た雲浜小4年の児童は「写真で見るより大きくてすごくきれい。来年も見たい」と笑顔で話した。午後6時半~同9時半はライトアップしている。
高浜・五色山公園 桜代わる代わる見頃
福井県高浜町山中の五色山公園のヒガンザクラが見頃を迎え、訪れた見物客を魅了している。今後も公園内にある各品種の桜が順次、咲き始め、山あいをピンクや白に彩っていく。
桜は1990~93年に約7千本が植えられた。約50本立ち並ぶヒガンザクラは3月中旬ごろから咲き始め、淡いピンクの花びらが満開に。バイクツーリングで訪れた見物客らが、内浦湾をバックに咲く桜を楽しんでいた。
公園にはソメイヨシノやオオシマザクラ、ヤエザクラなど数種類あり、順に見ごろを迎えるため、4月下旬まで花見が楽しめる。
当時から草刈りや肥料を与えるなど管理してきた、同公園管理組合の内藤さんは「今週末にはソメイヨシノが見頃を迎える。下から見上げると圧巻なので楽しみにしてほしい」と話していた。
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