市民らを前に昆布の手すきを実演する別所さん=27日、敦賀市役所

 全国の水産加工業者の商品を集めた「第67回全国水産加工たべもの展」の加工昆布部門で、敦賀昆布(福井県敦賀市本町1丁目)の「現代の名工 竹紙昆布」が最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。商品の手すき昆布を手掛ける現代の名工、別所昭男さんが3月27日、市役所1階で実演し、市民に振る舞った。

 水産ねり製品118点、水産物つくだ煮283点、加工昆布249点、節類162点の計812点の出品があり、2月下旬に各部門で農林水産大臣賞1点、水産庁長官賞4点、大阪府知事賞8点が選ばれた。

 「現代の名工 竹紙昆布」には長さ約40センチ、厚さ約0・1ミリのおぼろ昆布が入っている。厚さは通常のおぼろ昆布の2倍ほどで、厚みがあるため料理で蒸しても溶けないといった特徴を持つ。

 3月27日は同社の森田社長と別所さんが市役所に米澤光治市長を表敬訪問。2022年の全国水産加工たべもの展では、厚さ0・01ミリにすいた同社の別の商品が最高賞に次ぐ水産庁長官賞を受賞しており、別所さんは「これ以上の喜びはない。長年やってきてよかった」と笑顔で報告した。森田社長は「受賞が地元の若者にも昆布加工の仕事について認知してもらえるきっかけになれば」と期待した。実演会では厚さ0・1ミリと0・01ミリの2種類の昆布が振る舞われ、市民らが敦賀伝統の味を楽しんでいた。

 「現代の名工 竹紙昆布」は20グラム、810円(税込み)で販売している。

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