国名勝・柴田氏庭園　新装後、来訪者数が好調

庭園の奥に見える野坂山。お殿様気分で眺められる＝敦賀市市野々町１丁目の柴田氏庭園

　昨年１０月にリニューアルオープンした国名勝の柴田氏庭園＝福井県敦賀市野々町１丁目。市文化振興課の学芸員は「想定より多くの人に来てもらっている。書院から当時のお殿様の目線で見る野坂山は絶景。市内周遊の観光地の一つとして足を延ばしてほしい」と開業した北陸新幹線効果に期待する。

　江戸時代の豪農柴田権右衛門の屋敷で、小浜藩主の休憩所に使われていた。野坂山を借景とする池泉式の庭園と書院は１９３２年に国名勝になり、居宅を含めた敷地全体が２００７年に追加指定された。修復工事では書院を地上から１メートルの高さに上げる「揚屋（あげや）」作業を行い、藩主を迎え入れた当時と同じ高さになった。

　リニューアルオープンに合わせ、周辺区の住民による「柴田氏庭園を守る会」が結成された。市から委託を受け庭園の管理や清掃、来館者の案内を行っている。会長は「県内外の多くの人に庭園の魅力を伝えていきたい」と話している。