福井県小浜市上田に住む夫婦が明治末期に建てられた自宅を改修し、民泊施設「古民家の宿こはる」を開いた。古民家の落ち着いた雰囲気と豊かな自然を楽しむことができ、夫婦は「ふるさとの懐かしさを感じてもらえるのがうちの売り。喜んでもらえる宿にしたい」と意気込む。
民泊を開いたのは小浜市出身の小田伸子さん、幸紀さんの夫妻。改修した古民家は伸子さんの実家で、明治44(1911)年に建てられた。
横浜に住んでいたが、伸子さんが年に数回、高齢の両親の様子を見に実家に戻るうちにふるさとの魅力を再確認し、退職後、地元に戻ることを決意。自分たちが住むために2021年から改修を始め、昨年12月に完成した。
民泊は「歴史ある古民家の魅力が分かる人に来てもらえたら楽しそう」と開設を決めた。木造平屋建ての母屋には黒い梁(はり)としっくいの白壁が調和したダイニングを整備。宿泊客がくつろぐ8畳和室は改修せず、古民家の歴史を感じさせる場所を残した。母屋につながる木造2階建ての離れには寝室2部屋を設けた。
お客さんへの食事は夫婦2人で準備。夕食には若狭かれいの焼き物、焼きサバすしや若狭牛のステーキなど地元食材を使ったメニューを提供する。
同居する伸子さんの両親もお客さんとの交流を楽しみにしている。父親は「交通網も整備され、都会から来た人に田舎の暮らしや自然に触れてもらえる」と賛成し、母親も「にぎやかになるし、地元以外の人と話すのは楽しみ」と笑顔で話す。
今後はタケノコ掘りやイチジク狩りなどの自然体験プログラムの提供や地元の人も楽しめる飲食施設の整備なども計画中だ。伸子さんは「里山の原風景に触れてもらい、のんびりと過ごせる時間を提供したい」と話す。
宿泊は1組限定で原則4人まで。1泊2食付きで大人1人2万円から。素泊まりなども可能。電話やホームページなどから予約できる。問い合わせは伸子さん=電話090(4028)2782。
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