福井県敦賀市の有志らによる「敦賀の地酒復活プロジェクト」は3月11日、市役所を訪れ、米澤光治市長に新しい敦賀の地酒「月きよし」の完成を報告した。
同プロジェクトは敦賀唯一だった酒蔵が、2005年を最後に酒造りをやめて廃業したことから失われた地酒の復活を目指し22年7月に発足した。酒米は野坂岳の伏流水が注ぎ込む市内の田んぼで育てた「五百万石」を採用。名称「月きよし」は1689年に松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅で気比神宮を参拝した際に詠んだ「月清し遊行のもてる砂の上」の句からとった。
発起人の市タウンマネジャー、阿部さんら6人が訪問し「メンバーで敦賀ふぐや敦賀真鯛(まだい)に合う酒を目指した」と説明。テイスティングした米澤市長は「すっきりとしていい香り。本当においしい。早く(ふぐや鯛に)合わせたい」と話した。
阿部さんは「酒を造って終わりでなく、敦賀に文化としてどのようにつないでいくかが大事だと考えている。もう1度、酒蔵を再現して中心市街地活性化のパーツにできたら」と展望を語った。
4合瓶1760円(税込み)。16日以降、順次小売店で販売開始される見込み。問い合わせは港都つるが=電話0770(20)0015。
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