福井県小浜市飯盛の法海(のりかい)区の伝統行事「六日講」が1月6日、同区で行われた。住民が協力し、竜に見立てた長さ14メートルの巨大な綱を作り、集落の入り口に掲げて1年の幸福や安全を祈った。
六日講は数百年の歴史があるとされ、市の無形民俗文化財に指定されている。綱は「勧請(かんじょう)の綱」と呼ばれる。
この日は、40~80代の男性19人が法海集落センターに集まり作業した。3人が「せーのよいしょ」のかけ声で、3本のひもにわらをまき付け、その束をねじり合わせて大綱に仕上げた。綱の片方にはわらで作った角や舌などを付けて竜を表現した。参加した男性は「緩まないよう力強く巻いた」とやりきった表情を見せた。
大綱は近くの飯盛寺(はんじょうじ)の住職が祈りをささげた後、集落の入り口に運び出された。数人が足場に登り、頭部を今年の恵方の東北東に向けて道路をまたぐ形で高さ約4メートルの位置に掲げた。装飾品となるツタや仏様が足をかけるための足踏(くつわ)、「七難即滅 七福即生」などと書かれた勧請板を綱に付けて完成させた。
区長は「作業もスムーズだったし、出来栄えもかなりいい。作業を通して住民同士のつながりを再確認できた」と話した。綱は区内で人が亡くなるなど不幸が起こった際に切り落とされるという。藤田区長は能登半島地震にも触れ「当たり前のことが当たり前にできることの大切さを感じた。区民が健康で安全であるよう願いたい」と話した。
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