福井県敦賀市と滋賀県高島市境にある国境高原(くにざかいこうげん)スノーパークが今季休業することが12月22日までに分かった。運営会社によると、スタッフの人員確保ができなかったことが原因。1965年の開設以降、敦賀市のスキー教室が開かれるなど嶺南の愛好家に親しまれてきた“地元のスキー場”だが、シーズン通して休業するのは初めて。
1965年に近江鉄道(滋賀)が国境スキー場として開設。2008年にマックアース(兵庫)に売却された。造雪機の増設や、ムービングベルトを備えたキッズパークの整備を行い「女性も子どもも楽しめるスキー場」を打ち出し、名称も国境高原スノーパークに変更。全日本スキー連盟(SAJ)公認コースにも認定され、滋賀県初のSAJ公認大会を開催した。アヒルのようなゆるキャラ「クニ男。」を生み出し、一部で人気を集めた。
同スキー場では1972年から、福井県スキー連盟の県スキー学校国境分校「国境スキー学校」が常設校として活動。インストラクターらスタッフはほぼ全員が敦賀市スキー連盟が担ってきた。毎年のように市内在住や通勤、通学者を対象にしたスキー、スノーボード教室を開催。学校長で市スキー連盟会長の鳥羽学さんは「長年、地元のスキー場として親しまれてきただけに休業はびっくりしたし非常に残念」と話す。
20年に「SNOW PARK RESORT」(東京)に譲渡され、コロナ禍の20年~23年シーズンでも営業を継続してきた。今季の営業断念について同社は「スタッフの人員確保ができず、安全安心な営業を目指すことができない」と説明。「国境高原スノーパークファンや今シーズン来場を計画されていた皆さまのご期待に添えず誠に申し訳ない。来シーズンは営業できるよう検討していく」としている。
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