竹紙の水彩画(右)など渡辺淳さんの18点を紹介した展示会=おおい町岡田の若州一滴文庫

 福井県おおい町出身の画家、渡辺淳(すなお)さん(1931~2017年)の作品を紹介する「渡辺淳展~わが故郷に捧(ささ)げる絵画~」が同町岡田の若州一滴文庫で開かれている。古里・同町佐分利地区を描いた風景画など18点が並び、長年にわたり筆をとり表現し続けた郷土愛が浮かび上がっている。10月12日まで。

 渡辺さんは炭焼きや郵便集配を請け負う仕事をしつつ古里の風景を描き、日展などに入選。同郷の直木賞作家、故水上勉さんの小説の装丁なども担当した。同文庫は所有する渡辺さんの作品から数点を選び企画展を毎年開いている。

 竹紙の表と裏に別々の絵を描いた水彩画(年代、タイトル不明)には、いずれも古里と思われる夕空をバックに背の高い木とカラスのシルエットを表現。竹紙の特性を利用し、片面の夕日のオレンジ色が裏面ににじんで濃淡の違いを生み、淡い色彩の作品となっている。アクリル板の額に収められ両面が鑑賞できる。

 水上さんが1985年に一滴文庫を開設した当初、ラウンジに展示されていた120号の大作「佐分利川」に転写する基となった30号の絵も展示した。川上、本郷の両区を流れる佐分利川は、渡辺さんと水上さんの共通する古里の象徴として大切にしてきた。60年代当初から約30年にわたり毎年1月2日に佐分利地区の風景を仕上げたと考えられ、そのうち4枚を並べた。素朴な雪景色を毎年同じ日に描き続けた理由は不明だが古里と、特に佐分利川への深い愛着が見て取れる。

 一般300円。高校生以下は無料。午前9時~午後5時。9月15、24、29日、10月6日は休館。

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