
芭蕉と敦賀のつながりを示す資料などが展示されているテーマ展=10日、敦賀市立博物館
松尾芭蕉が敦賀の宿に置いていったとされる竹杖
俳人・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の終わりで訪れた地、福井県敦賀。敦賀市立博物館では芭蕉の足跡をたどるテーマ展「『おくのほそ道』と敦賀~敦賀の文芸と季石コレクション」が10月12日まで開かれている。同市俳句作家協会長などを務めた故川上季石さんが収集した資料など計52点を展示している。
芭蕉は江戸時代の1689(元禄2)年、東京・深川を出発し、東北、北陸を旅しながら俳句を詠んだ。最後の目的地として中秋の名月を見る舞台に敦賀を選び、旧暦8月14日から4日間ほど滞在。気比神宮や、商人の天屋五郎右衛門の案内で色ケ浜を巡り「月清し遊行(ゆぎょう)のもてる砂の上」「名月や北国日和定(ほっこくびよりさだめ)なき」など敦賀で詠んだ4句が「奥の細道」に収められている。
芭蕉は敦賀で滞在した宿、出雲屋に竹杖(つえ)と笠(かさ)を譲り渡したとされる。テーマ展では竹杖(市指定文化財)のほか、出雲屋を継いだ富士屋が掲げた木の宿額「蕉翁宿額(しょうおうしゅくがく)」(同)を展示。色ケ浜で地元の子どもと貝を拾い、盃(さかづき)に貝殻を浮かべる風流な遊びに興じた様子を記した資料「芭蕉翁色ケ浜遊記」も紹介している。
故川上季石さんは、気比神宮境内にある芭蕉の銅像や句碑の建立に尽力し、芭蕉関連の書籍も出版している。今年、ご家族から俳句関係資料が市に寄贈され、テーマ展ではそのうち40点を展示。六曲一双の「和歌俳諧貼り交ぜ屏風(びょうぶ)」(江戸時代)は、芭蕉門人の俳人らの作品がしたためられた色紙や短冊を貼り合わせている。気比神宮伝来と伝わる屏風で、優れた文芸資料という。
敦賀市立博物館の高早恵美館長は「松尾芭蕉の旅における敦賀での足跡は一般にはあまり知られていない。『杖措(つえお)きの地』と言われる敦賀の文芸や俳諧文化に興味を持ち、奥の細道を味わうきっかけにもなれば」と話している。
期間中9月24、28日、10月6日は休館。入館料300円、高校生以下無料。
テーマ展に合わせ、9月21日に「奥の細道」ゆかりの地を巡る歴史ウオーキングを開催する。博物館学芸員の案内で気比神宮や出雲屋跡、天屋屋敷跡などを歩く。午前10時半~午後0時半。参加費200円。定員約20人。問い合わせは同博物館=電話0770(25)7033。
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