地元敦賀での上映会をPRする山下さん=11月、敦賀市内

 福井県敦賀市出身の映画監督、山下大裕(だいすけ)さんが手掛けた自主制作映画「ひとしずく」(91分)の上映会(福井新聞社後援)は12月13日、市きらめきみなと館で開かれる。これまで18都県で公開し、目標とする全国47都道府県での公開へ実績を重ねてきた。東京では劇場公開も果たし、「夢を応援してくれた敦賀の皆さんに感謝の思いを伝えたい」と“凱旋(がいせん)上映”を心待ちにしている。

 山下さんは、敦賀高から映画監督を目指して日本映画大学に進学。在学時にはクラウドファンディング(CF)で資金を募り、敦賀を舞台にした映画を制作した。市民から多くの支援を受けたという。敦賀での映画上映は8年半ぶり。

 大学卒業後の2017年、母方の実家がある南大隅町に地域おこし協力隊として移住した。住民らと深く関わる協力隊にはドラマがあると映画のテーマに据えた。

 映画は、地域おこし協力隊として南大隅町に赴いた東京育ちの若者が地元住民らとの交流を通して成長していくストーリー。物語にリアリティーを持たせようと、19年3~4月に全国を回り協力隊員らから話を聞き、地域住民とのエピソードなどを脚本に盛り込んだ。

 新型コロナの影響で撮影は一時中断したものの、23年に完成させた。東京新宿の劇場などで上映を重ね、これまで4083人を動員したという。

 現在は協力隊としての活動を終え、南大隅町で自治体や企業向けの映像制作を手掛けている。映画について「みんなで楽しめ、田舎に帰りたくなる作品に仕上がった。敦賀での上映を全国公開に向けての新たな一歩にしたい」と話す。

 13日の上映会は知人らでつくる実行委員会が企画し、4回上映。一般1500円(前売り1400円)、高校生以下は当日、前売り券ともに千円。前売り券は敦賀市の田代時計修理工房で販売する。14日は福井市の県国際交流会館で上映する。午後1時45分開場。問い合わせは実行委=電話070(4321)8815。

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