西福寺の修復事業を紹介するパネル展=4日、敦賀市役所

 浄土宗の古刹(こさつ)、西福寺(福井県敦賀市原)で行われている修復事業の概要を紹介するパネル展が市役所1階ロビーで開かれている。屋根の解体や、取り外された部材の調査が進む様子が写真で示されている。12月26日まで。

 御影(みえい)堂のほか庫裏、玄関も修復する大修理は2022年度から36年度まで15年間かけて行われる。敦賀を代表する文化財の“令和の大修復”に関心を持ってもらおうと市が企画した。

 御影堂の大屋根の解体作業は、瓦やその下の土居葺(どいぶき)といった葺(ふ)き材の解体が終了し、屋根を支える小屋組(骨組み)の解体が進んでいるという。使われている瓦は約1万枚で、降ろした瓦は一枚一枚検査して、再利用できるものと作り直すものに分けることなどを紹介している。

 解体作業の中で壁や床面、部材からは多くの落書きが見つかり、こうした昔の痕跡を調べながら、今後の修理方針を立てることも説明している。市の担当者は「めったに見ることができない大事業で、文化財を未来につなぐ取り組みに関心を持ってもらえれば」としている。

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