ボタンの花のように大皿に盛り付けられたイノシシ肉=4日、おおい町名田庄久坂の料理旅館「新佐」

 11月にイノシシのわな猟、銃猟が解禁され、福井県おおい町名田庄地区の料理旅館、料亭などで冬の風物詩「ぼたん鍋」に使われるイノシシの入荷が始まっている。脂の乗ったイノシシ肉が大皿に花のように盛り付けられ、食欲をそそる一品となっている。

 ぼたん鍋は、イノシシ肉を野菜やみそと一緒に煮込んだ鍋料理。薄切りにした肉をボタンの花のように盛り付けることから呼び名が付いたともされる。

 同町名田庄久坂の料理旅館「新佐」では、4日までに地元猟師が捕獲したイノシシ8頭を入荷した。冬を乗り切るために脂を蓄えるこの時期が旬で、大きいサイズだと体長1・5メートル、体重100キロほど。今年は気温の高い日が続いたため、イノシシの肉質が心配されたが「脂の乗りはばっちり」と同旅館の栗原さんは満足そう。

 甘みのある深い味わいで臭みもなく、ブタ肉よりも脂が多いのが特徴。数ミリの厚さにスライスした肉を大皿に並べ、野菜や自家製みそと一緒に提供している。栗原さんは「身も心も温まるシシ肉を食べてみて」と話している。

 同地区では、新佐を含め料亭やホテルなど4カ所でぼたん鍋を提供している。問い合わせは町観光協会=電話0770(77)1734。

 県内のイノシシ猟は、銃猟が来年2月15日、わな猟は3月31日まで。

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