日本航空が運営し、観光情報を発信しているウェブマガジン「OnTripJAL」で、福井県若狭町の記事が掲載されている。旅行需要が落ち込んだ新型コロナウイルス禍の真っただ中で町に派遣された同社社員、栗本さんが提案した。往来はようやく活発になっており、記事には「全国の人が若狭町に行きたいと思うきっかけになれば」との願いが込められている。
栗本さんは総務省の「地域活性化企業人」制度で2021年4月に町に派遣された。観光商工課で地域の魅力発信や誘客対策に携わってきた。町職員として働き始めたころは「人の流れがストップし、どれだけ長引くのか不安だった」と振り返る。
「OnTripJAL」は月間200万人が閲覧しており、記事掲載は北陸新幹線敦賀開業に向けたPR策として栗本さんが提案し、町と日本航空の仲介役となった。嶺南地域の情報が載るのは初という。
記事は10月20日から公開されている。県道三方五湖レインボーラインの山頂公園や県年縞(ねんこう)博物館、町若狭三方縄文博物館、環境省の名水百選に選ばれている「瓜割の滝」などの主要観光スポットを紹介。熊川宿については「昔ながらの家屋が多く残るが、カフェや宿など空き家活用も積極的に行われ、進化し続けている町として注目されている」と勧めている。
日本航空のグループ会社、日本トランスオーシャン航空の客室乗務員が実際に旅した様子も写真や動画で掲載。美しい景観や歴史深さといった町の魅力を存分に伝えている。
2年半を超えた栗本さんの派遣期間は本年度末まで。「慣れない仕事をやっていく中で、職員や住民の方々の温かい人柄に救われてばかりだった」と振り返る。残りの期間も「魅力の磨き上げやさらなる情報発信に力を注いでいきたい。去年3月に客室乗務員を招いて開いた観光事業者対象のマナー講座ももう一度開き、おもてなし力向上につなげたい」と力を込めた。
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