遺跡の出土遺物の整理作業に焦点を当てた企画展「発掘調査後のあれこれ」が、福井県若狭町歴史文化館で開かれている。実際に使った道具や写真で、地道な作業を紹介している。12月23日まで。
町は同町脇袋の国指定史跡「西塚古墳」で2020~21年に発掘調査を行った。埴輪(はにわ)などの洗浄や注記といった整理作業は、上中地域の住民でつくる同館サポーターの会が中心になって進めた。企画展は、会の活動や町内の古墳を身近に感じてもらおうと、町と同会が主催した。
洗浄は整理作業で最初に行う。容器に水をため、歯ブラシなどを用いて表面を傷つけないように優しく泥を落とすと紹介。出土した日付や地点を裏面に記す注記は筆と墨汁を使い、書いた後は消えないようにニスでコーティングするとしている。接合や復元・補強も解説している。
児童らを対象にした洗浄や接合の体験会も写真で伝えているほか、発掘調査で使った道具なども並ぶ。同会の代表は「埴輪に触ることで貴重さに気付けた。丁寧に作業を進めることはやりがいがあった」と話していた。
入館無料で火曜休館。問い合わせは町歴史文化課=電話0770(45)2270。
(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)