日本を代表するイタリア料理のシェフ落合務さん(東京)が、昆布加工販売の奥井海生堂(本社福井県敦賀市、奥井隆社長)の天然の最高級昆布とバルサミコ酢を組み合わせた新感覚の調味料「コブサミコ」を開発した。落合シェフが奥井社長と出会って「昆布の奥深さを学んだ」ことから生まれた新商品。黒白2種類があり、百貨店高島屋のお歳暮商品の目玉として11月上旬から販売されている。年明けからは一般販売も予定している。
落合シェフは「未来に遺(のこ)すべき一皿」を考案するというテレビ番組を通じ、昨年末に敦賀市の奥井海生堂を訪問。上質な天然利尻昆布を蔵の中で時間を掛けて熟成させた「蔵囲(くらがこい)利尻昆布」のだしを試飲し、深く複雑なうま味に感動したという。「日本のうま味を取り入れる料理人が世界的に増えている中で自分は意地を張って使っていなかったが、敦賀で考えが変わった。奥井さんから送ってもらった昆布でいろいろと試すうちに、バルサミコ酢と合わせるアイデアが浮かんだ」と振り返る。
奥井社長のアドバイスを参考に、バルサミコ酢に昆布を漬け込む手法で完成した「コブサミコ」。一般的な黒いバルサミコ酢だけでなく、国産の白いバルサミコ酢をベースにした商品も生まれた。落合シェフは「黒も白も魚、肉、野菜なんにでも合う。アイスクリームにかけてもおいしい。使い方はアイデア次第」と話す。
商品開発のため、最上級の昆布を提供した奥井社長は「イタリアンの大御所に昆布が認められてうれしい。コブサミコを日本から発信し、昆布やだしの魅力が世界に広がるきっかけになってほしい」と話している。
お歳暮用商品は黒白2本セットで7560円(ギフト箱入り、税込み・送料別)。全国の高島屋計17店舗のギフトセンターとオンラインショップで販売している。
来年1月からは、奥井海生堂各店や都内の県アンテナショップなどでも販売開始予定。
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