11月6日の解禁以降、荒天により出漁を見合わせていた越前がに漁が8日始まった。坂井市三国町の三国漁港では漁船4隻が午後3時ごろ戻り、次々と水揚げした。夕方、同市の三国港市場で初競りが行われ、待ちに待った冬の味覚の登場に市場は活気づいた。
8日朝、三国港機船底曳(そこびき)網漁協などの10隻、越前町漁協所属の43隻、おおい町の大島漁協と小浜市漁協所属の計7隻が順次出港。三国漁港では約20キロ沖で漁をした4隻が帰港した。漁師は「まだ風が強く荒れていたが、十分な収穫」と話し、水揚げしたカニに越前がにの証しである黄色タグを付けていた。
競りには雄のズワイガニ約300匹、雌のセイコガニ約1万100匹がずらり。400匹ほど買い付けた、オーベルジュ(宿泊機能付きレストラン)経営の代表は「楽しみにしているお客さんにようやくカニを提供できる。シーズン中、安定した水揚げがあれば」と話していた。越前がにの最上級ブランド「極(きわみ)」はなかった。
漁期はズワイが来年3月20日まで、セイコが12月31日まで。
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