11月6日に解禁される越前がに漁について、未明にかけ沖合で強風が予想されたことから、三国港機船底曳(そこびき)網漁協や越前町漁協などに所属する県内全ての底引き網漁船は5日、初日の出漁を見合わせた。6日の競りも行われない。天候が回復次第出漁する。漁協関係者は「解禁初日に出漁しないのは20年以上記憶にない」としている。

 漁船は5日に出港し、日付が変わると同時に一斉に網を入れる予定だった。県底曳網漁業協会によると、越前がにが水揚げされる三国、福井、越前、敦賀、小浜、大島(おおい町)各漁港の漁協や組合の担当者が話し合い、5日午前9時ごろに出漁見合わせを決めた。

 県底曳網漁協の副会長は「解禁を楽しみにしていた人たちには申し訳ないが、乗組員の安全を第一に考えた」と理解を求め、今季の初出漁については「8日以降になるのではないか」と見通しを語った。越前町小型底曳網組合の組合長は「自然相手のことなので(出漁見合わせは)仕方ない。乗組員の命が大事」と話していた。

 漁期は雄のズワイが来年3月20日まで、雌のセイコが12月31日まで。

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