福井県内外の現代美術作家3人が若狭町の熊川宿若狭美術館で公開制作して完成させた作品の展覧会が、同館で開かれている。12日間にわたった制作の成果に触れられる。11月20日まで。
県と県文化振興事業団、若狭町が初めて開いた「熊川宿若狭芸術祭」の一環で、同館を運営するNPO法人「若狭美&Bネット」の協力を得て開催。公開制作は、筑波大名誉教授で金沢美術工芸大名誉客員教授の河口龍夫さんと福島県葛尾村を拠点に活動する大山里奈さん、同館長の長谷光城さんの3人が9月28日~10月9日に取り組んだ。
河口さんは期間中に毎朝測った脈拍分の点を打った絵画やハスの種子を並べ固めた銅の器などの作品を手掛けた。大山さんは川や湖、海のうち毎日1カ所で水を集め、採水地の風景が印刷された和紙に垂らしてにじませ、作品に仕上げた。
長谷さんはサイズの異なる厚紙を積み上げて若狭町の年齢別人口データを可視化した。制作過程を観察した慶応大アート・センター教授で美術評論家の渡部葉子さんのコメントや、来館者が気に入った作品について記した鑑賞シート、各作家の旧作も展示している。
金土日月曜の午前10時~午後4時半に開館する。入館料(協賛金)200円。29日午後2時からは同館でギャラリートークを予定している。
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