福井県・若狭路は食の宝庫。
先日11月6日には「越前がに漁」が解禁したばかりですが、冬はいつも以上に「若狭路のおいしい実力」が増す季節なんです。
海の幸に里の幸。地元の人たちが「どうしても食べてもらいたい!」とイチオシする、若狭路の冬の味覚の数々をご紹介します。
 

 

 

冬の絶対王者

1:越前がに

【旬の時期】11~3月 【漁場】福井県沖
福井県の三国、越前、敦賀、小浜の4つの港で水揚げされる、ズワイガニのブランド名。全国唯一の皇室献上ガニとしてその名をはせています。
福井県沖は急深のため、カニが生息する水深200m以上の漁場まで2時間という近距離。水揚げから出荷までの早さは折り紙付き。漁師や仲買人のカニの熟練した取り扱いが、「越前がに」のおいしさを一層際立たせています。

 

 

実は、日本三大です

2:熊川葛

【旬の時期】通年(生産は12~3月)【産地】若狭町

若狭町熊川の葛は、「日本三大葛」の一つと称されています。清冽な熊川の水と、不純物を徹底的に取り除く根気強さで、美しく純白な葛が作られています。
葛の根に含まれるでんぷんを水に搾り出し、漉してさらして、漉してさらして。水が透明になるまで繰り返したら、4カ月以上かけてじっくり自然乾燥させます。全て手作業で行われ、暖かいと発酵してしまうため、厳寒期に行われるため「寒晒し」(かんざらし)と呼ばれています。
お湯で練って口に含めば、ねっとりとした弾力と共に、喉の奥でさらりと溶けていくさまを味わえます。

 

 

 

引き締まった身が美味

3:若狭ふぐ

【旬の時期】10~3月 【漁場】若狭湾

若狭湾は、日本最北端のトラフグ養殖地です。複雑に入り組んだリアス式海岸は、水温の変化や水質にデリケートなフグを穏やかに育む絶好の環境。稚魚から1年半、体調管理やエサやりを欠かすことなく育ったフグは、日本海の厳しい冬を越え、身が一段と引き締まった高級食材となります。てっさ、てっちり、焼きに唐揚げ、低カロリーでヘルシーなうえに、コラーゲンも豊富です。

 

 

個性いろいろ伝統野菜

4:カブ

◇古田苅カブラ…【旬の時期】10月下旬~12月【産地】敦賀市

 

◇山内かぶら…【旬の時期】11月初旬~3月【産地】若狭町

 


◇杉箸アカカンバ…【旬の時期】11月初旬~12月【産地】敦賀市

敦賀市の古田苅地区で作られてきた「古田苅カブラ」は、中型で純白、実が柔らかく荷崩れしにくいのが特徴。「山内かぶら」は若狭町の山内集落で栽培されている伝統野菜で地理的表示(GI)保護制度に登録されています。実の全体を小根が覆っていて、煮崩れしにくく風味が良いのが特徴です。皮が鮮やかな深紅色をしている「杉箸アカカンバ」は、敦賀市で栽培され、皮にやや辛みがあるものの、漬物にすると甘みに代わり、香りが強いのが魅力です。

 

 

カレイ界No.1との噂

5:若狭かれい

【旬の時期】11~12月 【漁場】若狭湾

若狭湾で水揚げされた「ヤナギムシカレイ」のこと。「笹がれい」「甘がれい」とも呼ばれ、柳や笹の葉っぱを思わせる端麗な姿と上品な甘みから、カレイ界で「天下一品」との呼び声が高いそう。1985年から毎年皇室へ献上されています。


魚屋の軒先に吊り下がったカレイは、若狭路の冬の風物詩。淡塩に仕立てて、浜風にあてながら一夜干しするため、身が引き締まっています。遠火のとろ火で、表面を炙り焼きすると身がほくほくに仕上がりますよ。

 

 

7kg以上の大物ぞろい

6:寒ブリ

【旬の時期】12月中旬~1月 【漁場】若狭湾沿岸

冬に北海道から日本海を南下する「寒ブリ」は、身が引き締まって脂がのり、特においしいと言われています。美浜町日向では、福井県内でブリの最大規模の定置網漁が行われていて、港から30分ほどの沖合、山の東側の数ケ所に網を張り、冬に南下してくる回遊魚を狙います。「西風が吹くとブリが入る」と言われるのは、山側から吹く風で海が荒れると、ブリが湾に回避するから。海が荒れた次の日は勝負の漁となります。獲れて2~3日冷蔵庫に寝かすと脂がまわってとろみが出て、おいしさが増します。照り焼きもオススメ。

 

 

食の世界遺産認定

7:谷田部ねぎ

【旬の時期】11~12月【主な産地】小浜市

明治初期から小浜市の谷田部地区で作られている伝統野菜で、地理的表示(GI)保護制度に登録されています。「し」の字に曲がった根元が特徴で、寒くなると柔らかさと甘みが一層増します。2007年に食の世界遺産と呼ばれる「味の箱舟(イタリアスローフード協会)」に認定されました。

 

紹介した食材は、若狭路にある飲食店で提供されているほか、道の駅やスーパーなどで購入可能です。ぜひ立ち寄って、若狭路の冬の味覚をご自宅でも堪能してみてくださいね。