10月1日にリニューアルオープンした旧三笠ホテルと美浜町の縁を紹介する企画展=美浜町歴史文化館

 福井県美浜町歴史文化館で企画展「美浜と軽井沢の不思議なご縁」が開かれている。幕末に若狭国佐柿村(現美浜町佐柿)に生まれた実業家・山本直成の子である直良が長野県軽井沢町の国重要文化財「旧三笠ホテル」創業者であることや、同ホテルが5年9カ月に及ぶ保存修理工事を終え、今年10月にリニューアルオープンしたことなどを伝えている。来年3月25日まで。

 美浜町佐柿の町若狭国吉城歴史資料館との交換展示。パネル8点を並べている。

 直良は、父が軽井沢に購入した広大な土地を活用し、避暑地としての発展を見据えた開発事業の中心として、1906年に三笠ホテルを開業させた。パネルでは、2020年1月に始まった保存修理工事について、過去の補修歴の痕跡調査を行ったことで、ホテルとしての機能が充実していた大正末期から昭和初期の外観に復元できたと説明。これまで大きく3回の工事が行われた同ホテルの変遷図からは、今回の工事で建物正面の中央と東側にそれぞれあった車寄せが再現されたことを伝える。

 町の学芸員は「三笠ホテルのリニューアルをきっかけに、美浜と軽井沢の交流が深まれば。町としてもできることをやっていきたい」と話した。

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