
開業から3周年を迎えた公設民営書店ちえなみき。敦賀駅西口の新たな「顔」として定着している=敦賀市鉄輪町1丁目
福井県敦賀駅西口の公設民営書店「ちえなみき」開業に伴う人流の変化を、指定管理者を務める大手書店の丸善雄松堂(東京)などがまとめた。北陸新幹線延伸も追い風となり、ちえなみき開業効果で同駅周辺を訪れる市内在住者は約3倍、市外からの来訪者は約2・3倍に増えたと分析している。
ちえなみきは、敦賀駅西口の再開発事業の一環として、図書館とは異なる幅広い「知」に触れられ、地域の憩いと活性化の拠点になる施設を市が構想。「書棚空間プロデュース」を手がける編集工学研究所(東京)と丸善雄松堂でつくる共同企業体が指定管理者に決まり、2022年9月に開業した。
開業3年を機に丸善雄松堂と三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京)が、位置情報ビッグデータを活用して人流を分析した。ちえなみき開業前(21年9月~22年8月)に敦賀駅周辺を訪れた市内在住者は約1万7400人だったが、開業後1年間(22年9月~23年8月)は約7万2600人に増えた。北陸新幹線開業後の24年4月~25年3月の1年間は約5万1300人だった。
市外からの流入については、ちえなみき開業前の1年間は約23万5千人だったが、開業後の1年間は約38万4千人、北陸新幹線開業後の1年間は約53万9千人と伸び、特に昼間の時間帯のにぎわいに寄与しているとした。ちえなみきを起点に気比の松原や気比神宮、金ケ崎エリアを訪れた人も1・5倍~3倍に増えたという。
ちえなみきは新刊書、古書を問わず3万冊以上そろえ、本の目利きによる独自の選書や洋書、絶版本など入手困難な本も好評。公設民営書店は全国的に珍しく、県内外の自治体からの視察は9月末時点で369件に上った。
(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)























