大たいまつをわら縄で締め上げる住民ら=6日、小浜市伏原の今富神社

 福井県若狭地域の夏祭りのトップを切って行われる小浜市伏原の愛宕神社例祭に向け、地元住民が7月6日、区内で長さ3メートル、重さ約150キロの大たいまつ作りに励んだ。完成したたいまつは12日の例祭で同神社に奉納する。

 1615年創建の同神社は火伏し(火難よけ)の神様として信仰されている。例祭ではたいまつに点火して無病息災と防火を祈願する。伏原、大宮、神田の3区がそれぞれにたいまつを作り、神社本殿がある後瀬山(標高168メートル)頂上近くまで男衆が運び奉納する。

 巨大たいまつは、伏原区の習わしとされ、この日は区内の今富神社境内に男衆約20人が集合した。段ボール製のたいまつの芯に、長さ2・4メートルに切りそろえた青竹や、むしろを巻き付け大量のわらで包み込んだ。最後にもう一度、青竹で覆い、わら縄で固く締め上げた。約2時間半かけて直径約70センチ、長さ約3メートルの大たいまつを作り上げた。

 炎天下の中だったが、区民らはたいまつ作りを楽しみ、和気あいあいと作業を進めた。

 例祭当日は午後5時ごろ今富神社を出発し、同5時半に愛宕神社社務所からたいまつの担ぎ手と引き手約30人が後瀬山山頂を目指す。愛宕神社責任総代の津田さんは「若い世代もたいまつ作りに参加してくれた。地域の祭りを引き継いでいきたい」と話していた。

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