近現代美術を代表する作家たちの絵画や陶芸作品が並ぶ企画展=25日、敦賀市立博物館

 幼児用教材、遊具製造販売のジャクエツ(敦賀市若葉町2丁目)元会長の故徳本道輝氏が収集した一大美術コレクションを紹介する企画展「ジャクエツコレクション展 名画と出会える至福の14日間」が4月26日、敦賀市立博物館で始まった。近現代美術を代表する作家の絵画や陶磁器作品24点が並ぶ。5月11日まで。

 市にはコレクションの一部として、横山大観や東山魁夷ら著名画家の日本画、洋画計33点が寄贈されている。企画展では県立美術館が所蔵する作品も含め展示する。

 横山大観の「聳雲表(しょううんぴょう)」(1955年ごろ)は雲海に浮かぶ冠雪の富士の雄大な姿が印象的な作品。東山魁夷の「秋映(あきばえ)」(61年)は赤やオレンジ、黄色、緑を塗り重ね、深みのある山の表情を描いている。

 加山又造の「猫」(80年代後半)は、青い羽根をとらえてたたずむ猫が描かれている。繊細な描写が毛並みの柔らかさを感じさせる。梅原龍三郎の「バラ図 マジョリカの壺」(68年)は、生き生きとしたバラの生命力がオレンジや赤などの鮮やかな色彩で表現されている。

 河井寛次郎の陶磁器「三色釉水指」(62年ごろ)は腰に膨らみがあり、側面に赤や黒、緑のうわぐすりを無作為にかけている。偶然によって生まれた流れが躍動感を生み出している。

 同市立博物館の加藤敦子学芸員は「時代を彩った作家たちの個性ある作品が並んでいる。豊かな表現を実際に見に来てほしい」と来場を呼びかけている。入館料は一般300円、高校生以下は無料。30日と5月7日は休館。

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