• 敦賀真鯛ラーメンをトリノセツリと共同開発した敦賀高の2人(左)と店長の裕哉さん=敦賀市相生町の同店
  • 生麺、真鯛オイル、煮干しスープが入った敦賀真鯛ラーメン
敦賀真鯛ラーメンをトリノセツリと共同開発した敦賀高の2人(左)と店長の裕哉さん=敦賀市相生町の同店

 福井県敦賀高生が地元の人気ラーメン店と協力して敦賀のブランド魚「敦賀真鯛(まだい)」を使った持ち帰り限定のラーメンを開発した。生徒は漁師を訪ねてマダイの特性を勉強し、うま味が引き立つスープづくりに一役買った。原価率を計算し販売価格を設定するなどすべての作業に携わり、「こだわりが詰まった一杯をぜひ食べて」と呼びかけている。

 「商品開発と流通」の授業で商業科3年生13人が昨年4月から取り組んだ。同市相生町のラーメン店「トリノセツリ」のオーナー竹内さんを学校に招き、月5回ミーティングを重ねてきた。

 敦賀真鯛は同市西浦の敦賀湾で養殖されている。生徒たちは漁師から低水温で成長が遅い分、身の締まりがよく、味も濃くなるといった特性を聞き取りした。

 竹内さんは、同市神楽町1丁目の料理店「やまとも」で料理長も務めており、真鯛のアラの香りを油に移してうま味が凝縮したオイルを作った。

 生徒は、塩やしょうゆ、白湯、煮干しといった数種類のスープに、真鯛のオイルを加えて飲み比べたり、実際に麺を入れて試食したりして、どの味が合うかを選んだ。麺との絡みが良く「真鯛の風味が口の中により伝わってくる」と、全員一致でしょうゆベースの煮干しスープに決めた。

 持ち帰りのラーメンは生麺と真鯛(まだい)オイル、魚介スープの3点セットで、昨年10月に市内で開かれた2回のイベントで計217箱を完売。11月中旬には静岡県のイベントにも出向き、計180個を売り上げた。

 トリノセツリでは11月下旬から販売を始めており、生徒は毎週火曜、店長で竹内さんの弟の指導を受けながら、麺やスープの袋詰めなどの作業を手伝ってきた。「生徒の頑張りで、クオリティーの高い商品に仕上がっている」と評価している。

 生徒は「商品開発という初めての経験ができた。お土産として観光客らに買ってもらい、敦賀の魅力が多くの人に伝われば」と期待している。生徒は開発したラーメンを紹介する動画も制作し、ユーチューブで公開している。1箱2食入り千円(税込み)で購入できる。

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