• 豪快な動きで田植踊りを奉納する男衆=2日、敦賀市野坂公民館
  • 田打踊りで太鼓を打ち鳴らす児童
豪快な動きで田植踊りを奉納する男衆=2日、敦賀市野坂公民館

 豊作を願い室町時代から続くとされる福井県敦賀市の「野坂だのせ祭り」は2月2日、市野坂公民館で営まれた。紺色の衣装を着た男衆や児童が登場し、耕作や田植えの様子を表現する豪快な踊りを汗だくになって奉納した。

 祭りは1994年に県無形民俗文化財に指定。コロナ禍のときは神事のみを行うなどしてきたが、昨年からは地域住民も集めて踊りを奉納している。午前に野坂神社で神事を行った。

 午後からの踊りの奉納には住民ら約80人が集まった。「素襖(すおう)」と呼ばれる紺色の伝統的な衣装をまとい、児童の6人と男衆6人が交互に登場。「だーのせーのせのやー」と独特の掛け声を出しながら踊った。

 田を耕す様子を演じる「田打(たうち)踊り」では、踊り手が田んぼに見立てた太鼓を囲み、木の棒で何度も太鼓をたたいた。「福の種」とされる米粒をまく福男も登場した。

 田植えを表現した「田植(たうえ)踊り」は、苗を表す杉の葉を両手に持ち、太鼓の周りで背中合わせに押し合った。足を高く上げたり、前に跳んだりする動きを息を切らしながら繰り返した。

 田をならす仕草をする「えぶりさし」や農作業の合間の食事を運ぶ女性役も登場。出演者や来賓の米澤光治市長らを胴上げする場面もあり、見物客らを喜ばせた。

 保存会の小串会長は「今年は小学1年生から6年生まで14人が参加してくれた。練習をして上手にできていた。これからも続けていきたい」と話していた。

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