• 電子書籍化した冊子「繙き」を画面に出す中道会長=美浜町佐田
電子書籍化した冊子「繙き」を画面に出す中道会長=美浜町佐田

 福井県美浜町佐田の住民有志でつくる佐田伝統文化保存会はこのほど、地元の伝統行事や言い伝えなどを紹介する冊子「繙(ひもと)き」を電子書籍化した。幅広く情報発信したい考えで、会員らは「美浜や福井だけでなく、全国の人たちに読んでほしい」と期待している。

 繙きは2016年に初版を発刊し、21年までに4度改訂して内容を充実させてきた。王の舞の奉納がある織田神社の例大祭などの伝統行事を季節ごとに掲載しているほか、郷土料理や地元に伝わる民話「河童(かっぱ)の詫(わ)び証文」などの「佐田の七不思議」についても紹介している。外国人にも理解してもらおうと、英訳も付けている。

 電子書籍化は、創文堂印刷(福井市)と若越印刷(敦賀市)が運営する電子書籍ポータルサイト「Fukui ebooks(フクイイーブックス)」で行い、昨年11月に公開した。誰でも無料で閲覧できる。併せて、同民話を基にしたフォークソング「河童の川太郎」のギター、ピアノ用の楽譜を追加。織田神社の例大祭や帝釈寺で行われる納涼盆踊りの様子などを収めた動画が見られるQRコードも掲載した。

 昨年12月29日には、帰省客らにPRしようと、敦賀駅で冊子の配布も行った。佐田伝統文化保存会の中道会長は「読んだ人が実際に佐田に来て、にぎわいにつながれば」と願っている。

 繙きはA4判で全71ページ。冊子は美浜町立図書館などで閲覧できる。

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