若狭湾に面し、また豊かな水をたたえる三方五湖を擁する若狭路。

さまざまな海産物や山の幸の宝庫であり、素材の味を生かしたさまざまな名物がいっぱいです。

ぜひ6市町を巡って、それぞれの旬の味わいを満喫してください。

 

 

 

1. 若狭かれい

若狭かれい

かつて帝に食べ物を供することが許された御食国と呼ばれた福井県若狭。肌寒さを感じる晩秋の頃より「若狭かれい(標準和名ヤナギムシカレイ)」が市場に出回りはじめます。日本近海だけでも40種近くあるカレイですが、その中でも絶品とされ、毎年皇室にも献上されています。  カレイは淡泊で水分が多いので、塩をして天日に干すことで身が締まって美味しさが増します。新鮮な若狭かれいは淡塩を施し、串に刺して、一晩日陰干しにされます。底びき網漁が始まると、魚屋などの軒先に吊るされる若狭かれいの姿が、冬の訪れを告げる風物詩となっています。生乾きで柔らかいのが美味。軽くあぶって食するのが一般です。 上品な身の甘さが特徴で、その中でも秋から冬にかけての産卵前のものは身も厚く、脂ものって特に美味しくなります。身の骨離れもよく食べやすいので、魚食を進める上でも、重宝な魚です。

2. 若狭ぐじ

若狭ぐじ

 若狭湾で獲れるアカアマダイは「若狭ぐじ」と呼ばれ、昔から鯖や若狭がれいとともに京に運ばれていました。舌の上にふわりと広がる上品な甘さ、その気品漂う姿は今なお京料理には欠かせない高級食材となっています。 「身が繊細で傷つきやすい」というデリケートなさかな「若狭ぐじ」。釣り漁で獲れたぐじ専用の保冷ボックスに入れられ、厳重に温度管理されて港へと運ばれます。この中から姿が美しく、大型のものだけを厳選して、さらに直接氷が触れないなど特別な管理体制の取り扱いがされたものだけが「若狭ぐじ」を名乗ることができるのです。  調理法としては、背開きにしたぐじの鱗を落とさずにそのまま焼き上げる「若狭焼き」が有名です。その他にも蒸し物、揚げ物など多彩に調理され、多くの人々を魅了し続けています。

3. 若狭牛

若狭牛

明治時代より食されてきた歴史ある肉牛。県内各地で飼養されています。 若狭牛の品質規格は、近県の銘柄牛と比較しても厳しく、5段階に別けられている肉質等級の4等級以上の高品質な牛肉のみが若狭牛として販売されています。 若狭牛の特徴は、肉質の良し悪しを決めるサシ(脂)。若狭牛はサシの入り方がきめ細やかで風味も豊か。とろけるようなサシの食感と甘みは、上品で後味もあっさりしています。 現在、若狭牛のおいしさは県内ではもちろん県外の人にも人気で、贈り物として利用する人も増加中。

4. へしこ

へしこ

へしことは魚を塩と糠(ヌカ)で漬けこんで作る魚の糠漬けのことで、福井・石川・丹後半島などの地域の伝統的な保存食です。 「鯖のへしこ」は、その昔若狭から京の都へ鯖街道をつかって鯖を運ぶ際に考えられた加工法で、保存食として古来より伝承されている若狭の名産品です。 その名の由来は、地方の漁師言葉で木樽に鯖を漬け込む(押し込む)ことを「へし込む」と言ったことが、 「へしこ」のはじまりといわれています。

5. 若狭ふぐ

若狭ふぐ

主に食用とされるふぐの中でも最も美味しく高級品と称されている、ふぐの王様「トラフグ」。その中でも若狭湾のトラフグはよく身が締まってプリプリとした食感で歯ごたえがあり、「若狭ふぐ」というブランド名で定着しています。 特に、高浜町には養殖場があるので、新鮮で淡白な中に深い味わいがあり、県内外から多くの人から愛されています。

6. ふくいサーモン

ふくいサーモン

 「ふくいサーモン」のおいしさは、なんといっても上品な脂ののりともっちりとした肉質。サーモン特有の臭みがないことも自慢のひとつです。 また、サーモン特有のオレンジ色の身にはアスタキサンチンが豊富に含まれ、美容や健康に良いといわれおり、女性にもぴったり。豊富な栄養価と良質なたんぱく質を含みながら、低脂肪・低カロリーのため、健康志向が強まる現代、積極的に摂取したい食材のひとつになっています。  冷凍しても鮮魚と変わらない品質を保つことができるため、刺身やマリネ、ムニエルなど幅広い料理で活躍するふくいサーモンは、老若男女問わず大人気。愛情をこめて育てた、安心・安全のおいしさをご賞味ください。

7. 三方五湖の天然うなぎ

三方五湖の天然うなぎ

海の幸に恵まれた美浜町。五つの湖からなる三方五湖もまた食材の宝庫で、ここで捕れる天然うなぎは美浜の美食として知られています。 三方五湖の環境でたくましく育つうなぎは、身が肉厚かつ柔らか。脂がのっていながらあっさりとした上品な味わいです。 主に蒲焼として食され、湖畔に軒を連ねるうなぎ料理店は、県内外から訪れる観光客に人気のスポットとなっています。天然ウナギは、越冬のため栄養を蓄えた11月頃が一番脂がのっていて食べ頃と言われます。

8. 小浜よっぱらいサバ

小浜よっぱらいサバ

 御食国若狭と都を結ぶ鯖街道で運ばれたサバを、その終点である京都の酒蔵で育てる「小浜よっぱらいサバ」は、小浜市田烏釣姫漁港で、巾着網漁に従事した漁師たちが愛情たっぷりに育てあげています。  水揚げしてすぐの新鮮な鯖だからこそ味わえる「お刺身」は、青魚独特の臭みがありません。少し歯ごたえのある、脂が程よく乗った身は、繊細で甘みのある青魚の頂点の味です。