大谷吉継の武将隊誕生―。岐阜県関ケ原町で活動するご当地観光PR隊「古戦場おもてなし武将隊 関ケ原組」に所属していた武将「大谷吉継」が、かつて領地があった敦賀に活動拠点を移した。北陸新幹線開業で沸き上がるタイミングで敦賀の盛り上げに一役買いたいと関ケ原からの“移籍”を決断。子どもたちに人気の武将系ヒーローショーやステージ演武を市内外で展開し、観光PRに力を尽くそうと張り切っている。
「古戦場おもてなし武将隊 関ケ原組」には、大谷吉継や石田三成、島左近、小早川秀秋など武将7人と足軽5人が所属。活動拠点とする岐阜関ケ原古戦場記念館のほか、各地のイベントに出向いて甲冑(かっちゅう)姿で扇演武や旗演武、殺陣演武を披露し、観光客らを楽しませている。
「武将・大谷吉継」はこれまで「関ケ原組」に所属しながら、昨年9月の敦賀まつりや今年3月の新幹線開業イベントで敦賀を訪れ演武を披露。義を重んじた戦国武将として人気が高い吉継だが、敦賀では「知名度がいまひとつで残念に思っていた」という。敦賀の人にこそ魅力を知ってもらいたいと、このほど「関ケ原組」を離れ、敦賀で「敦賀城主 大谷吉継おもてなし武将隊」を立ち上げた。
武将隊の隊員は今はまだ吉継一人だが、ご当地ヒーローとして敦賀を拠点に活動する「双蝶(そうちょう)のギョーブ」とは旧知の仲だ。6月1日に開かれた金沢百万石まつりのメインイベント百万石行列では、信州上田の真田幸村、越後上越の上杉景勝の武将隊とともに4人で行進し、北陸新幹線延伸や終着駅敦賀をアピールした。
武将隊・大谷吉継の“中の人”は名前や年齢、出身地、普段の職業は非公表で謎に包まれている。今月、吉継の菩提(ぼだい)寺である永賞寺(栄新町)からほど近い場所に居を構え、敦賀で新生活のスタートを切った。気比神宮近くでのおもてなしや敦賀まつりでの演武など今後の活動構想を思い描く。「乱世に義を貫いた吉継公の名を冠する以上、期待を裏切らないよう精進して敦賀のPRに貢献したい」と誓う。
(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)