スムーズな特急への乗り換えのため通路に表示した誘導線=敦賀市の北陸新幹線敦賀駅(杉本哲大撮影)

 3月16日の北陸新幹線県内開業に向け、JR西日本は敦賀駅での在来線特急との乗り換えの円滑化に向け、駅構内に誘導線を設けた。1月に実施したシミュレーションでは、3階の新幹線ホームと1階の在来線特急ホーム間の移動が1カ所のエスカレーターに集中したため、誘導線で乗客の移動を分散させ混雑防止につなげる。

 16日からの運行ダイヤでは、関西・中京方面の特急「サンダーバード」「しらさぎ」は全て、敦賀駅で新幹線「つるぎ」と接続する。乗り換え時間は8~19分で、敦賀発着の特急80本のうち34本が8分となる。

 JR西は1月18日、12両編成(座席数914)で満席の「つるぎ」が到着したとの想定で乗り換えシミュレーションを実施した。3階の新幹線ホームから2階コンコースの乗り換え改札を通り、1階の在来線特急ホームで「サンダーバード」と「しらさぎ」に全員が乗り込むまでの時間や動線を検証。乗り換え改札から1階に降りるエスカレーター2カ所のうち、改札に近い方の付近で順番待ちの列ができた。

 誘導線は、2階の乗り換え改札口を通過したところから、1階に向かうエスカレーター2カ所と階段までをつなぎ、通路の床にサンダーバードは青色、しらさぎはオレンジ色で表示。2階コンコースの柱にも両特急の乗り場を案内する表示を増やし、つるぎを降りた乗客が迷わずに移動できるように促している。

 JR西金沢支社の担当者は、乗り換えシミュレーションを繰り返し行っており、最短8分の乗り換え時間の場合でも「係員が案内するなどしてスムーズに移動できるよう改善を図っている」と話している。

 円滑な乗り換えを紹介する動画も制作し、同社ホームページで公開しているほか、北陸新幹線車両内の座席テーブルなどに貼ってあるQRコードを読み取り視聴できる。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)