福井県敦賀駅を発着点に三方五湖を一周する路線バス「ゴコイチバス」に、電気自動車(EV)バスを導入できるかを検証する県の実証走行が11月6日から行われている。路線は1周約69キロで、県道三方五湖レインボーラインでは車内から雄大な景色が楽しめる。山頂公園までの急こう配をスムーズに走行できるかや、冷暖房をつけたときの消費電力量の確認などを重ねている。
現在、ゴコイチバスはディーゼルエンジンで走行する2台を使用している。EVバスは、ディーゼルエンジンのバスと比べ静粛性が高く、揺れが少ないほか、発車や停車時も動作が滑らかで、快適な乗り心地が特徴という。ラムサール条約登録湿地の三方五湖の豊かな環境に配慮したバスを走らせようと、福井鉄道の委託で実証走行が行われている。
ゴコイチバスと車体サイズが類似している車両を、EVバスを開発した北九州市の企業からレンタルして使用。実証走行では最大定員の29人分と同じ重量の1・5トンの重りを搭載し、冷暖房を最大限に稼働させたときや、使わない場合など条件を変えて走行した。1日に数回運行した結果、1回の充電で路線2周分となる138キロ走行できることが分かった。検証は9日まで行う。
報道機関向けの試乗会があった7日は美浜駅からレインボーライン山頂公園までの約11キロを往復した。県嶺南振興局嶺南プロジェクト推進室の室長は「今回の実証結果を踏まえ、実際に運行するかなどを今後、検討していく」と話している。
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