リトアニア、ポーランドを訪問した経験から企画展を開く敦賀高創生部員=敦賀市の同校

 大正から昭和初期にかけて福井県敦賀に上陸したポーランド孤児やユダヤ難民の歴史を伝える敦賀市の資料館「人道の港敦賀ムゼウム」が11月3日、リニューアルオープンから3周年を迎える。同日から今夏、ポーランドや、杉原千畝がユダヤ人難民にビザを発給したリトアニアを訪ねた敦賀高創生部の部員たちによる企画展「LIFE~出会いとその奥にある記憶」がスタート。敦賀ムゼウムで発信されている「歴史の現場」である両国を紹介する。

 敦賀高創生部は2020年から「人道の港」についての歴史を学び、敦賀ムゼウムの館内ガイドにも挑戦してきた。今年7月28日~8月8日のポーランドとリトアニア派遣では、部員12人がロシアの侵攻によりポーランドに逃れてきたウクライナ避難民と交流したり、ナチス・ドイツによるユダヤ人らの虐殺が行われたアウシュビッツ強制収容所跡を訪問したりしてきた。

 展示はポーランドとリトアニアに住む人たちへの親近感や、過去にあった悲惨な歴史に対する当事者意識を来館者に持ってもらい、平和や命の尊さを感じてほしいと企画。両国の歴史や貨幣などについてまとめたパネルや、現地で購入した人気のポテトスナックなどのお菓子、靴下なども並べる。

 アウシュビッツ強制収容所跡のパネルでは、イスラエルの国旗を背負った若者がガイドから説明を聞き悲しみに声を上げ、大量の涙を流していたことなどを紹介。ウクライナ避難民との交流についてのパネルではミサンガ作りや折り紙をお互いに教えあい、笑顔であふれたこと、国歌を歌ってもらったときの鋭いまなざしと力強い歌声から感じた愛国心についてまとめている。

 橋本龍之介部長は「派遣を通し、さまざまな人たちと関わり生活や文化、命を学んできた。企画展は見た人が何かを考えるきっかけになれば」と願っている。

 企画展は来年1月30日まで。問い合わせは敦賀ムゼウム=電話0770(37)1035。

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