JR西日本は10月25日、北陸新幹線福井県内開業後の2024年10月に導入する新型観光列車の名称を「はなあかり」に決めたと発表した。10~12月に展開する大型観光キャンペーン「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、福井県敦賀駅から小浜線を経由し、城崎温泉(兵庫県豊岡市)まで運行する。
長谷川一明社長が大阪市の本社で開いた会見で発表し、「風光明媚(めいび)な若狭や丹後地方の景観や食を楽しめる優雅な旅を提供し、新幹線敦賀開業の効果を広く波及させていきたい」と述べた。
「はなあかり」の名称について「地域に光を当て、華やぐイメージ」と説明。地域を明るくする列車であることを表現したという。季節ごとにエリアを変えながら西日本各地を運行する計画で、敦賀―城崎温泉間の運行がデビューとなる。
既存の特急列車「はまかぜ」に使用しているディーゼル車「キハ189系」を改造し、3両編成で全54席。2両がグリーン車で、他の1両はJR西の在来線では初となる、グリーン車よりグレードの高い「スーペリアグリーン車」とした。ゆったり過ごせる2人用の個室を10室設ける。
車両の詳細なデザインも公表。外装は黒褐色の「檳榔子染(びんろうじぞめ)」をベースに金色のツタをあしらった。車内は日本の四季を彩る草花をモチーフとした和の色彩を取り入れ、優雅な旅を演出する。
長谷川社長は「沿線には食や伝統工芸、文化などすばらしい魅力がたくさんある。車内でのイベントなど、地元の皆さんと相談しながら良いものをつくり上げていきたい」と語った。
運転日や価格など詳細は改めて公表する。(宇野和宏)
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