福井県若狭湾で養殖された「若狭ふぐ」がシーズンを迎え、小浜市阿納区、市の第三セクターまちづくり小浜が連携し「御食国(みけつくに)若狭おばま 若狭ふぐ福々キャンペーン」を始めた。同区内の14宿泊施設が一体となり、地元フグを使ったメニューの提供、交流サイト(SNS)を活用し地域全体で秋冬の誘客を図る。来年3月31日まで。
若狭ふぐは水温の低い若狭湾で育つことで、身が締まり、歯ごたえもしっかりしている点が特長。阿納では年間約3万匹を水揚げし、区内民宿などで提供しており、毎年冬になると若狭ふぐを目当てに多くの人が訪れる。
同区では21年に住民や市のまちづくり小浜、福井銀行グループが出資し「株式会社阿納」を設立、廃業した民宿の改修などを行ってきた。今回のキャンペーンは北陸新幹線敦賀開業を前に、若狭ふぐをきっかけに区に滞在する価値を高めようと初めて企画。10月1日を若狭ふぐのシーズン初日と定め、ホテル、民宿で一斉にフグ料理の提供を始めた。
キャンペーンに参加する14宿泊施設では、メニューや食べ方など施設により異なるが、てっちり(鍋)とてっさ(薄造り)は組み込まれているという。まちづくり小浜が運営するホテル「若狭佳日」では、フグあらの西京焼きや唐揚げのほか、小浜よっぱらいサバずしなどを加えたコース料理を提供する。
また食事をした施設で渡されるQRコードからアンケートに答えるか、インスタグラムで「#若狭ふぐ」と施設のアカウント名などをつけて投稿すると、抽選で若狭佳日のスイートルーム宿泊券などが当たる。
まちづくり小浜の社長は「住民は阿納の立地を生かした漁業や宿泊施設を未来につなげていきたいという思いが強い。その思いをしっかりと打ち出し、たくさんの人を呼び込みたい」と話している。
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