健康茶として人気の高い福井県高浜町の特産品「杜仲茶(とちゅうちゃ)」の葉の収穫が本格化している。日差しを浴びた杜仲の木が深緑の葉を付け、生産する企業の従業員が刈り取りや天日干し作業に追われている。収穫量は過去最高の3~3・5トンを見込んでおり、収穫は10月中旬まで続く。
杜仲は中国原産の落葉高木。葉を乾燥させ抽出したお茶は甘みがあって飲みやすく、血圧降下や肝機能向上などに効能があるとされる。
1987年から町内の生産組合が栽培していたが、生産者の高齢化などにより、建築会社「山惣ホーム」(同町中山)が2019年に事業を引き継いだ。現在は、町内約20カ所の畑で約8千本を育てている。
収穫は8月下旬から始まった。今月5日の収穫作業では、同社に隣接する畑で、従業員がノコギリで切り取った枝から手のひらサイズの葉を引き抜き、かごに入れていった。農業事業部長の森田さんは「杜仲は乾燥に強いため猛暑による影響は少ない。ぐんぐん成長している」と話した。
収穫した葉は40~50度の室内で数日かけて天日干しする。ビニールシートの上に広げられた葉を道具でかき混ぜ乾燥を促していく。顧客から注文が入ると工場で焙煎(ばいせん)して甘みを引き出し、ティーバッグに詰める。
森田さんは「深緑色の厚い葉には栄養がたっぷり。抽出したお茶はそのまま飲んでも、お酒を入れてもおいしい」と自慢の商品をPRしている。
ティーバッグは2グラム30個入りで972円。町内のスーパーや道の駅、同社ホームページ(青葉の杜仲茶で検索)などで販売している。問い合わせは同社=電話0770(72)5677。
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