福井県嶺南地域へのインバウンド(訪日客)の誘客を図ろうと、県は9月25日、造成を進めている観光プランのモニターツアーを実施した。参加した外国人は水月湖年縞(ねんこう)について学んだり、美浜、若狭両町にまたがる県道三方五湖レインボーラインの山頂公園から夕日を眺めたりし、「自然が美しく食もおいしく、最高の観光地」と絶賛していた。
来年3月の北陸新幹線敦賀開業や2025年の大阪・関西万博に向け、県嶺南振興局は嶺南地域での四つのインバウンド向け観光プランの造成を進めている。モニターツアーは外国人から意見をもらってプランを磨き上げようと企画した。
関西在住の4人が参加し、ヘリで小浜市の若狭ヘリポートに到着。着陸したすぐそばまで迎えに来たハイヤーで若狭町へ向かった。民宿「湖上館パムコ」では地ビールの製造を見学。三方五湖にちなんだ料理を湖がかたどられたプレートで楽しんだ。県年縞博物館で、7万年分45メートルある水月湖年縞を見た後は美浜町レイクセンターへ。電池推進遊覧船に乗り、年縞採取場所を確認した。
レインボーライン山頂公園では、貸し切りで夕日が沈んでいく若狭湾の景色を堪能。同公園の第1駐車場内のレストラン&カフェ「RAINBOW」では美浜町内の民宿の料理を味わった。参加者は「福井は海のイメージしかなかったが、湖一つ一つに個性があって驚いた」と話していた。
26日も小浜市で芸妓(げいこ)のもてなしを受けながら若狭塗箸で食事したり、若狭町の熊川宿でかまどで米を炊いて食べたりし、全プランを体験する。
県嶺南振興局によると、意見を参考にし、12月ごろから販売を始める予定。同局嶺南プロジェクト推進室の室長は「良い点と悪い点を洗い出し、魅力あるプランにしていきたい」と話していた。
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