田んぼでコイやフナの稚魚を育てる活動を紹介する企画展=若狭町鳥浜の県里山里海湖研究所三方五湖自然観察棟

 三方五湖自然再生協議会「湖と田んぼのつながり再生部会」が農業者と協働で行っている、コイやフナの稚魚を田んぼで育てる活動を紹介する企画展が、若狭町鳥浜の県里山里海湖(うみ)研究所三方五湖自然観察棟で開かれている。10月2日まで。

 身近な自然を守りつないでいく大切さを考えてもらおうと、協議会に参加する同研究所が企画。三方五湖地域のコイやフナの生態、生活を脅かす要因などについて紹介するA1判のポスター6枚と、田んぼで育ったフナの稚魚が泳ぐ水槽を並べている。

 コイやフナの成魚の多くは三方湖や水月湖、菅湖に生息し、春に田んぼで産卵するために川や水路を遡上(そじょう)する。田んぼで産卵するのは、稚魚の餌となる動物プランクトンなどの生き物が豊富なことや、水の流れがほとんどなく、泳ぐ力が弱い稚魚でも生息できることが理由という。

 稲作の作業効率を高めるために行われたほ場整備でコイやフナが用排水口を通って田んぼに行けなくなったことも紹介。部会では水路と田んぼの間に魚道を作ったほか、農業者と協力して、川や水路に設置した植物のシュロや人工産卵藻に卵を産ませ、ふ化したら田んぼに放流し、1、2カ月ほどたってから調査のために捕獲した後、湖につながる川や水路に放しているとも伝えている。

 同観察棟は午前9時半~午後4時半に開館している。毎週火曜休館。

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