• 「ちえなみき」を見学する福井大の学生たち。学びのフィールドとしても活用されている=6月
  • 親子連れらでにぎわった「つるが鉄道フェスティバル」=3月、敦賀市のオッタ
「ちえなみき」を見学する福井大の学生たち。学びのフィールドとしても活用されている=6月

 来年3月の北陸新幹線福井県内延伸に向け、敦賀市が官民連携で整備したJR敦賀駅西地区エリアTSURUGA POLT SQUARE「otta(オッタ)」が1日で開業1年を迎えた。話題を集める中核施設の公設書店「ちえなみき」には約30万人、エリア全体では約70万人が来場した。イベント会場や学生のフィールドワークの場にも活用され「交流・にぎわい拠点」としての存在感を発揮している。

 オッタは立体駐車場に隣接するAゾーン(約4300平方メートル)と、市道を挟んだBゾーン(約3600平方メートル)の市有地に整備された。

 Aゾーンは公設書店「ちえなみき」、海鮮丼の店や生パスタ&ステーキバル、ソフトクリーム店、わらび餅店などが入った飲食棟、芝生の広場公園などで構成。「ちえなみき」に併設して、市地域子育て支援拠点「ここるん」もある。

 Bゾーンには“ワンランク上のビジネスホテル”「ホテルグランビナリオTSURUGA」、嶺南初出店となった「スターバックスコーヒー敦賀駅前店」がある。

 特に「ちえなみき」は小説から漫画、絵本、専門書、古書、洋書などテーマ別に選書された本が不規則に並ぶ独特の書棚空間は話題となり、オープン3カ月で10万人を突破。その後も毎月2万人前後の来店者で推移し8月末時点で29万9千人余りとなり、エリア全体のにぎわいをけん引している格好だ。

 また、今年3月には毎年恒例の「つるが鉄道フェスティバル」の会場として広場公園が利用され、ミニSL乗車体験などでにぎわうなどイベント活用も少なくない。エリア全体では8月末で来場者が70万人を超え、市が当初見込んでいた年間約40万人を大幅に上回った。市内随一の参拝客が訪れる気比神宮の年間70万人に並ぶ規模となった。

 米澤光治市長は今月1日の定例会見で「駅前に多くの人がとどまることによってにぎわい感が出てきている。特にちえなみきは県外からも来ていただける中核になっている」と指摘。課題として「人の流れを飲食棟、駅前商店街にも広げていきたい」と述べた。

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