手書きラベルを表面に貼った贈り物用のワイン=12日、敦賀市川崎町のリカーポートみのや

 福井県敦賀市川崎町にある創業1920年の老舗酒屋「リカーポートみのや」の3代目店主矢田さんが、書道教室の先生をしている経験を生かし、お祝いごとがあった贈り物用として、手書きメッセージのラベルを貼ったワインを販売している。「感謝」などの文字のほか似顔絵も添え、“1点もの”にしている。

 矢田さんは3年前、通常は商品名が貼られているボトルの表面に、ラベルの貼っていないワインがあることを出入りの卸業者に教えてもらった。店では児童やお年寄りらに習字を教えており、常々「伝えたい思いは、ワープロよりも書いた方が相手に届く」と考えていたこともあって、手書きの言葉を添えると記念のワインになるのでは、と考えたという。

 敬老の日を前に「いつもありがとう」「いつまでも元気で」など感謝や気遣いの言葉を筆でしたためている。黒だけでなく赤色やオレンジなども使いカラフルに仕上げている。矢田さんは「日本にはのし紙の字を、手書きで心を込めて書くといった伝統の文化がある。これからも手書きの良さを大切にしてきたい」と話している。

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