シャーペン1本で描いた作品を前にするたけし…さん=敦賀市の敦賀駅前商店街

 今年2月に死去した漫画家松本零士さんへの追悼の思いをこめて、福井県福井市在住の「シャー・ペン絵師たけし…」さんが、シャープペンシル1本で描きためた宇宙戦闘機など趣味の作品を、敦賀市の敦賀駅前商店街で展示している。商店街には松本作品のモニュメント像が立ち並んでおり、「私が絵を始めたのは松本さんのおかげ。ゆかりのある敦賀で恩返しがしたかった」と思いを話している。10月8日まで。

 もともと絵が苦手だったというたけし…さんは、松本さんのアニメ作品やプラモデルの箱絵に出合い、「自分も描いてみたい!」と絵を描くようになった。中学生になるとシャープペンシルを使い、今につながる技法を磨いていった。以来、松本さんの作品に登場する戦艦などを描き続けている。

 松本さんが亡くなった後、今年3月に「何かできないか」と敦賀を訪問。アーケードでは松本さんの追悼写真展が開かれており、企画した同商店街振興組合の河藤正樹理事長と偶然出会った。自身の活動や松本作品への思いを話し、開催が決まった。たけし…さんは「松本さんの作品に出合ってなかったら、絵は描いていなかった。始めたきっかけで、とても恩を感じている」と語る。

 商店街のアーケード掲示板13カ所に計22点を展示。宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場するコスモゼロ、ブラックタイガーの戦闘機や地球防衛軍宇宙空母をはじめ、わが青春のアルカディアのアルカディア号など、松本作品の中でも有名なものを出品した。0・2ミリの細い芯を使い、機体の隅々までリアルに表現すると同時に、濃淡で立体感を演出し、迫力満点の仕上がりになっている。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)