• 「桟道高秋図」(右端)など敦賀出身の南画家・内海吉堂の代表作が並ぶ特別展=14日、敦賀市立博物館
  • 吉堂没年の前年に描かれた「花卉図巻」
「桟道高秋図」(右端)など敦賀出身の南画家・内海吉堂の代表作が並ぶ特別展=14日、敦賀市立博物館

 明治から大正期にかけて京都で活躍した福井県敦賀出身の南画家・内海吉堂(きちどう)(1850~1923年)の没後100年を記念した特別展が14日、敦賀市立博物館で始まった。「京都画壇の隠れた実力者」と言われる吉堂の初期から最晩年までの代表作など84点を前後期に分けて紹介する。前期は10月9日まで、後期は同11日から11月5日まで。

 円山四条派の吉堂は敦賀晴明町(現在の同市相生町)に生まれた。画家一家の3代目で、幼少期に滋賀で漢学を学び、絵は幕末から明治を代表する塩川文麟に師事した。中国に渡って文人たちと交流し、帰国後は南画家として京都で活動した。東本願寺御影堂の障壁画制作にも携わったという。

 前期は56点を展示。「桟道高秋図」(1897年・県立美術館蔵)は吉堂の前半期の代表作とされ、絶壁や谷間を流れ落ちる小川など「山水画の伝統を踏襲しつつ(吉堂が)自分なりの構図を組み立てた作品」(加藤敦子学芸員)となっている。

 中国の名勝地を題材にした「船過孟浪梯図」(1912年・開善寺蔵)は約90年ぶりの公開となる。35年に京都の美術館での展示されてから所在が分からなくなっており、このほど長野の寺院に保管されていたのが発見された。

 四季の花々を鮮やかに描いた「花卉(かき)図巻」(22年・同館蔵)は、現在確認されている最晩年の作品。円山派の祖、円山応挙の「青楓瀑布(ばくふ)図」を模写した作品も並べられている。

 加藤学芸員は「華やかな花鳥画から貫禄ある山水画まで、県内外から集まった代表作の数々を通じて、内海吉堂の魅力を知ってもらいたい」と話している。

 9月24日と10月14日の午後2時から展示解説がある。10月28日午後1時半からは、東大東洋文化研究所の塚本麿充教授による記念講演会「内海吉堂と『中国』―画業と生涯から―」が市きらめきみなと館で行われる。参加無料で先着100人。問い合わせは同館=電話0770(25)7033。

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