ユーチューブで公開されている自己紹介動画の一場面

 福井県小浜市宮川地区の住民有志が地区をPRするオリジナルキャラクター「宮里(みやさと)ひまわり」を制作、バーチャルユーチューバー(Vチューバー)として動画投稿や、交流サイト(SNS)のインスタグラムやX(旧ツイッター)で情報発信を始めた。生みの親の住民は「地元を広く認知してもらいたい」と思いを託した。

 薄緑色に輝く長い髪と、ヒマワリの種が描かれたオレンジ色の服が印象的な女の子。ユーチューブに投稿された自己紹介動画によると、身長145センチ、好きな食べ物はお米、苦手なことはじっとしていること。呼び方は「ひまちゃん」で、「宮川をお花でいっぱいにする」ことが夢という。

 生みの親は住民有志8人。今年3月に地区へUターンした泉岡さんが中心となった。

 泉岡さんは高校卒業後に進学で小浜を離れ、そのまま県外で働き「地元は何もない」と考えていた。しかし、旅行で地区を訪れた関東の知人が「山も海も身近にあって、都会ならお金を出して見に行くようなホタルが当たり前にいる。すごく良いところ」と感動する姿を見て、魅力のある場所だと感じるようになった。

 Uターンしてすぐ、Vチューバーとして地区をPRするキャラクター制作を友人たちに相談し、まちづくり協議会にも提案を持ち込んだ。地区住民たちから後押しを受け、趣味のイラストの腕前を生かして誕生させた。

 デザインは地区の風物詩となっているヒマワリ畑や山の緑をイメージ。「元気で活発だけどおっとりしている」という地区の人間性を反映した人物像にした。

 今月5日に4年ぶりに開催された地区の伝統行事「虫送り」に合わせてSNSをスタートさせ、当日に記念すべき1本目の動画をユーチューブに投稿。虫送りの会場にはひまちゃんのパネルとのぼり旗を用意し、特製うちわも配布した。

 「他地区のキャラクターも誕生させたり、県内のVチューバーと連携したりして展開できれば」と泉岡さん。まずは「音声ソフトでつけている声を吹き込んでくれる人を探したい」と話した。

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