印刷の歴史や技術を紹介する企画展「印刷と歴史」が、福井県美浜町歴史文化館で開かれている。技術ごとに、用いられた道具や刷られた資料など計10点ほどを展示している。10月29日まで。
版を用いた紙への印刷は、7世紀に中国で木版印刷が発明されて始まり、日本には8世紀に技術が伝来した。15世紀前半にはドイツのグーテンベルクが活版印刷機を発明し、印刷の効率が大きく向上。版に凹凸を付けずに印刷する平版印刷で最古の石版印刷は1798年に発明され、版に穴を開けてインクを写す孔版印刷は、エジソンが発明した謄写版の登場をきっかけに広く使われ始めた。
企画展は、若狭路文化研究所の協力を得て開催し、同研究所の所蔵品を中心に並べている。「木版本の版木」は文章の印刷のために彫刻が施されており、文字は崩し字で左右反転になっている。
「『石川酒造文書』第8巻製版」は鉛製の活字を1字ずつ組み合わせ作られており、1箱に4ページ分が収められている。謄写版での印刷時に使う「鉄筆」や各技術で印刷された書籍、通達なども並ぶ。
月曜と9月19日、10月10日は休館。9月18日、10月9日は開館する。入館料は一般100円、小中学生50円、幼児無料。
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