「ぐりとぐら」シリーズの絵本などを並べた企画展=小浜市の県立若狭図書学習センター

 双子の野ネズミの活躍を描いたロングセラー絵本「ぐりとぐら」誕生から60年となる記念企画展が、福井県小浜市の県立若狭図書学習センターで開かれている。作者の姉妹の歩みや、ぐりとぐらシリーズを紹介したパネル、関連書籍など約40点を並べ、世界中で愛された絵本を多角的に楽しめる内容となっている。8月31日まで。

 ぐりとぐらは絵本作家、中川李枝子さん、故山脇百合子さん姉妹が1963年に出版した作品。双子の野ネズミ「ぐり」と「ぐら」が野原や山を元気いっぱいに駆け回るストーリーで、英語、スペイン語などの言語に翻訳され世界中の子どもたちに愛されている。

 企画展ではシリーズ全13冊の表紙絵やあらすじ、作家としての姉妹の歩みをまとめた。

 シリーズを解説したパネル展示では、キャラクターの誕生などさまざまな逸話が盛りだくさん。63年、雑誌『母の友』に掲載された童話「たまご」に、ぐりとぐらが初登場し、シリーズの原型となったことや、キャラクターの名前の由来、なぜ野ネズミがオレンジ色なのかなどファンなら興味深い話ばかりとなっている。

 人間の女の子がシリーズで初登場した第6作「ぐりとぐらとすみれちゃん」(2003年)では、シリーズを愛読し、4歳で亡くなった女の子がモデルになっていることも解説した。

 作品にまつわるクイズコーナーや姉妹のインタビューが掲載された雑誌、英語や韓国語への翻訳版も展示されている。

 午前9時~午後7時(土日月曜は同6時まで)。24、28日休館。期間中は、図書フロアでぐりとぐらの特集コーナーを設けている。問い合わせは同センター=電話0770(52)2705。

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