
若狭おばま観光案内所に完成した若狭小浜人魚明神のお堂=3月27日、小浜市駅前町
JR小浜駅前のポストに設置されていたマーメイド像=2020年5月
若狭おばま観光案内所に完成した若狭小浜人魚明神のお堂=3月27日、小浜市駅前町
福井県小浜市に残る「八百比丘尼(はっぴゃくびくに)伝説」のシンボルの一つとして、JR小浜駅前の郵便ポストに30年以上設置されていた人魚(マーメイド)像がこのほど、同市駅前町の若狭おばま観光案内所に移された。案内所に新設されたお堂に安置し「若狭小浜人魚明神」と命名。案内所の関係者は「新たな観光スポットとして注目されれば」と期待している。
人魚像は1991年の市制40周年などを記念して小浜郵便局に寄贈された。高さ約50センチの金属製で、駅前のバス乗り場近くのポストの上に設置されていた。
昨年末、ポストの更新に合わせ像は撤去されることになった。駅利用者を長年見守り、愛されてきた像に今後も親しんでもらおうと、観光案内所を運営する若狭おばま観光協会が郵便局から譲り受けた。
若狭で生まれ、人魚の肉を食べて800歳まで生きたといわれる「八百比丘尼伝説」が残る同市の新名所として活用することを決め、1月ごろから準備を進めてきた。
観光案内所の入り口付近に建てた高さ約2メートルほどのお堂に像を納め、美や健康、長寿や恋愛成就の象徴としてPR、若い女性ら新たな観光客の獲得を目指す。
さい銭箱も設置し浄財は文化財保護のため、市内の寺社に寄付する。また特別な御朱印の販売も予定しているという。
3月27日に式典があり、神事を行った。同協会の会長は「伝説を生かし多くの人が楽しめる仕掛けづくりをしていきたい」と話した。
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