福井県小浜市飯盛の法海(のりかい)区で1月6日、伝統行事「六日講」が行われた。住民が竜に見立てた長さ約14メートルの綱を協力して製作。集落入り口に掲げ、住民の1年の幸福と安全を願った。
六日講は市の無形民俗文化財で数百年の歴史を持つとされる。綱は「勧請(かんじょう)の綱」と呼ばれ、集落で人が亡くなるなどの不幸があった際に切り落とす。
区の男衆約20人が昼過ぎから法海集落センターに集まり作業した。綱は太い3本のわらの束をねじり上げて作る。3人が「せーの、よいしょ」の掛け声に合わせて何度も強くねじり合わせ、綱の片方の端にわらで作った角や舌を取り付け、竜の頭を仕上げた。
その後近くの飯盛寺の住職が祈りをささげ、集落の入り口に運ばれた。雨が降る中、数人が足場に上り、高さ約5メートルの位置に道路をまたぐような形で掲げた。今年の恵方の西南西に頭部を向け、毘沙門天などの12人の仏様「十二天」が足をかける「あぶみ」やツタ、「七難即滅 七福即生」などと書かれた勧請札を取り付けて完成させた。
最後に区内の阿弥陀堂に集まり五穀豊穣を祈願した。同区の区長は「2024年は綱を切り落とすことなく終えたので、今年も引き続き不幸のない1年になってほしい」と話していた。
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